10の手当てと助成金(9. 母子家庭の遺族年金)
投稿者:株式会*** 投稿日時:2021/08/19 09:23
母子家庭の遺族年金とは、夫もしくは妻が死亡した場合に受取れる年金が遺族年金になります。加入している年金の種類によって受取れる金額が異なります。
支給される金額
死亡した親権者が加入していた年金や、子供の有無とその年令などによって給付内容が変わってきます。また、具体的な支給金額はそれぞれの年金によって異なります。

ひとり親が受け取れる年金って何がある?

ひとり親といえども、将来受け取る年金は国民年金と厚生年金、これが基本です。それに加え、ひとり親となった理由によって遺族年金や寡婦年金が受け取れることもあります。

1,国民年金
国民年金は、日本に居住している20歳以上60歳未満の全ての方が加入する、いわば年金の基礎です。自営業者や学生、無職の方だけでなく、厚生年金に加入する会社員も実は国民年金に加入しています。

なお、2021年度の国民年金の受給額は満額受け取れても月額6万5075円となります。

2,厚生年金
厚生年金は会社などで働く人が加入するものになります。具体的には、正社員や一定時間以上勤務するパート・アルバイトの方などが加入者の例です。

厚生年金の受給額は、おおむね加入期間の収入に比例していくため、具体的な金額はなかなか算出が難しいのですが、全体平均としては令和元年度で月額14万6000円となります(厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による)。

なお、厚生年金には、離婚でひとり親となった場合に一定の要件を満たすことで、年金の加入記録を半分ないし夫婦で定めた合意割合で分割する年金分割の制度もあり、将来元夫の厚生年金を一部受け取ることができる場合もあります。

3,遺族基礎年金
遺族基礎年金とは、国民年金に加入する配偶者が亡くなった際、その方に生計を維持されており、かつ、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子がいるなど、一定の要件を満たしていることで支給されるものです。支給される金額は78万900円に子の加算額を加えたものになります。

※子の加算額
第1子・第2子…各22万4700円
第3子以降…各7万4900円

4,遺族厚生年金
遺族厚生年金とは、厚生年金に加入している配偶者が亡くなった際、亡くなった当時その方の、一定の要件を満たす場合に受けられる年金です。遺族厚生年金の受給平均額は8万3285円となっています(厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」による)。

また、個別の事情によっては40歳から65歳までの間、年間58万5700円の中高齢寡婦加算が加算されることもあります。


5,寡婦年金
寡婦年金は、亡くなった夫に生計を維持されているなど、一定の要件を満たした際に妻が60歳から65歳まで受け取れるものになります。支給額は夫が受け取れるはずだった老齢基礎年金の4分の3です。


国民年金保険料が納付できないときは?

ひとり親といえども、皆何らかの形で年金に加入し、保険料を支払うことになります。

厚生年金であれば給与から天引きとなるので払えないということはそうありませんが、国民年金の場合は保険料の納付が困難ということもあり得ます。そういった場合は国民年金保険料の免除や猶予の制度を利用してください。

国民年金の保険料は何もしないままでは未納となってしまい、その間は年金額に反映されないだけでなく、受給資格期間にも反映されないため、将来年金を受け取れないことにもなりかねません。

国民年金保険料の免除・猶予の手続きは、住民登録をしている市区町村の役場にて手続きができます。年金の保険料を支払うことが難しい状況になったら、速やかに市区町村へ相談するようにしてください。

ひとり親だからこそ年金制度に強い関心を

ひとり親は子育てに手いっぱいで、将来の年金にまで気を配ることが難しいという状況もあると思います。しかし、老後は誰にでも等しくやってくるものです。何の知識や備えもなく老後を迎えるより、少しでも先を見据え、考えを巡らせておくことも大切です。

子育てが大変になりがちなひとり親世帯だからこそ、少しでも余裕のあるときに年金について考えてみてください。

出典
厚生労働省 令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)
日本年金機構 離婚時の年金分割
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度